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裏庭の鶏

映画と本と、時々舞台

新連載『約束のネバーランド』感想

新連載『約束のネバーランド
原作 白井カイウ
作画 出水ぽすか


●あらすじ(ネタバレ注意!)
 物語の主人公はオレンジがかった赤毛の少女、エマ。11歳になる彼女はグレイスフィールドハウスという孤児院の年長者として血の繋がらない兄弟たち、そして優しい【ママ】と暮らしている。

 しかしこのハウスは普通の孤児院ではない。外の世界からは隔離され、ママからは「外は危険だ」と教えられる子どもたち。そして何よりもハウスの子どもたちには白い制服と認識番号が与えられ、毎日テストを受けることになっている。もっともエマをはじめとする子どもたちはそれを異常だとは思っていない様子だ。


 ハウスには12歳までには里親のもとに引き取られ巣立つというきまりが存在する。そしてエマの妹の一人であるコニーの巣立ちの日、うさぎのぬいぐるみを忘れていることに気がついた。本来はママを通すべきだがコニーのために早く届けるべきだろうと同い年のノーマンとともにエマはこっそり門へと向かう。

 しかしそこで見たものは息絶えたコニーの姿。絶句する二人だが何者かの声に慌てて隠れる。
 現れたのは不気味な化物だった。それを見てコニーは「食人鬼」ともらす。

 二人の鬼の話から二人はハウスがただの孤児院ではなく食用人肉の【農園】であったと知る。無情にも優しかった【ママ】も出荷に立ち会っていた。彼らは食べられるために育てられていたのだ。

 エマとノーマンは施設に戻り兄弟全員でハウスからの脱出を決意する。


●感想
 最初に思ったのは「ジャンプっぽくない」ってことです。ダークな内容に加え鬼の造形が抑え目ではあるもののなかなか不気味。そしてホルマリン漬けにされた女の子。
 後半はショッキングな絵が多いかなという印象ですね。そして自分たちが家畜と同然であったと知った少年少女の物語ですから予想される展開もダークなものが想像されます。

 ただ、前半から「やばいですよ〜この子たちは普通じゃないですよ〜この孤児院は何かありますよ〜」と言わんばかりでしたので正直ハウスが農園であったというのは驚かなかった……(笑)
 鬼が出てきたのはある意味ジャンプっぽいのかもしれませんね。取引相手が同じ人間だといよいよ少年誌に相応しくないストーリーでしょうし。


 おそらく物語の軸となるのはエマを中心とする年長者三人組でしょう。あらすじでは飛ばしてしまいましたが、エマ、ノーマンの他にもう一人年長者がいます。レイという名の少年です。三人についてまとめますと……

・エマ
 本作の主人公。天真爛漫な性格で抜群の運動神経と驚異的学習能力を誇る。
・ノーマン
 断トツの頭脳を持つ天才少年。優しげな笑顔を浮かべていることが多く、長男的存在か。
・レイ
 天才ノーマンに唯一互角に渡り合える博識で知恵者。クールで観察力のある少年。

……こんな感じでしょうか。
 ずば抜けて能力の高い三人ですが、本当に食用の人肉のためだけに子どもたちを育てているのなら何のために彼らは残されているのか? そして何のために毎日テストをしているのか? 食用だけでなく、別の用途として育ている可能性も多いにあると思います。
 また、ママの正体、鬼の正体も気になるところ。


 似たようなテーマの物語としてカズオイシグロの『わたしを離さないで』を真っ先に思い出してしまいましたが、おそらくもっと少年漫画らしい内容なんでしょうね。あちらは運命の中でもがきながら展開される恋愛がメインでしたから。

 まずは無事に脱出できるのか。
 来週からも楽しみにしていきたいです。